SIGGRAPH連携事業

SIGGRAPH and DCEXPO

  • ACM SIGGRAPHとは

    ACM(Association for Computing Machinery:米国に本部を置く著名なコンピュータ・サイエンス学会)のSpecial Interest Groupの一つであり、CGやインタラクティブ 技術への情熱を共有する何千人もの人たちで出来たインターナショナルメンバーシップ非営利組織です。
    メンバーにはCG研究、ソフトウェア開発、アート、ヴィジュアライゼーション、インタラクティブテクノロジー、ゲームデザイン、ヴィジュアル・エフェクツ、コンピュータ・サイエンス、教育、技術、グラフィックデザイン、映画・テレビプロダクション、科学的研究など、幅広い分野の人々がいます。

  • SIGGRAPHとは

    ACM SIGGRAPHが主宰する世界最大のCGとインタラクティブ技術のカンファレンス。
    毎年北米で開催され、何万人もの企業や大学の研究者、クリエイター、学生等が参加します。新しいCG技術と研究を発表するための世界有数の場として今年で47回目を迎えました。
    2008年よりSIGGRAPH Asiaがスタートし、来年は日本で開催されます。今年のSIGGRAPH Asiaは12月にオンライン開催となり、DCEXPO 2020 Onlineにも出展しています。SIGGRAPH Asia 2020のブースはこちら

  • SIGGRAPH and DCEXPO

    1996年、ACM SIGGRAPHと一般財団法人デジタルコンテンツ協会(DCAJ)の前身NICOGRAPHとの間で協力の覚書を取り交わし、2001年にDCAJとして正式調印しました。
    2014年、SIGGRAPH Emerging TechnologiesとDCEXPO Innovative Technologiesの間で優秀技術の賞交換を行う覚書を締結。2014年以降、それぞれの展示技術から審査により毎年優秀技術を選出して「ACM SIGGRAPH Special Prize」「DCEXPO Special Prize」として表彰し、次回のSIGGRAPH/DCEXPOにおいて優先展示を行う賞交換を続けています。今年の受賞技術は以下のとおりです。

SIGGRAPH Special Prize 2020

  • 知能技術株式会社

    不特定多数の人が触る機器からの接触感染拡大を防止する機器に触れることなく空中で指を動かすだけでタッチパネルやキーボードを操作できるAIソフト。新たな装置への入れ替えや追加のディバイスが不要でPCやタブレットにAIソフトをインストールするだけですぐに使用が可能となります。手袋をしたままでも操作ができるため、工場や医療機関での使用も可能です。

    «授賞理由(SIGGRAPH 2021 Emerging Technologies Chair, Paul H. Dietz氏)»

    SIGGRAPH2021のテーマは、今のパンデミックにインスパイアされたプロジェクトやイノベーションであり、Ubimouseはこのテーマに大変適したプロジェクトです。
    私はタッチセンサーの研究者として、長年この技術がユビキタスなものになることを願ってきました。今年のパンデミックで、このような技術が実践的なものになりつつあり、いま我々は安全でタッチレスな技術を切望しています。
    Ubimouseはまさにこのインタフェースを実現するプロジェクトです。
    私は今回の表彰が、このプロダクトそのものに賞を授与するだけでなく、こういった研究に従事する人たちをインスパイアするものであることを希望します。

    «受賞の言葉(知能技術株式会社 代表取締役社長 大津良司氏より)»

    この度はこのような名誉ある賞をいただき、大変喜んでいます。社員および大学の研究者も同様に皆で喜びたいと思います。有難うございます。
    私がこの技術を開発しようと思ったのは、私の出身地神戸で25年前に大震災が起き、6000人がなくなりました。その時に私は2つのことを考えました。
    1つは、私が研究していたような技術をもって会社を作り、命を守る研究開発を進めたい。
    もう1つは、医学部の中で患者さんの命や社会の中で命を守る研究をしたい、ということです。
    会社ではロボットやAIの開発で色々な人の命を助けたり重労働から解放するような開発をしてきました。大学では患者さんの命を守る研究をやはりAIやロボットを使って行っています。
    その中の1つが、今回受賞させていただいた空中で指を動かすUbimouseです。
    タッチパネルは誰が触るかわからないことで感染が心配されていますが、それを防ぐためには触らなければ良いという研究です。
    元々COVID-19のために開発したのではなく広くインフルエンザなどに役立つのではないかと考えていましたが、今年はこのような形で期せずして我々の技術が役立ったことを嬉しく思っています。今後も我々のAIとロボットの技術を使って、社会の役に立ちたいと思っています。

DCEXPO Special Prize 2020

  • Massachusetts Institute of Technology

    Photo-Chromeleonは、1つの材料だけでマルチカラーのテクスチャが創れる再プログラム可能な技術です。

    «授賞理由(DCEXPO Special Prize審査委員長 舘 暲 教授)»

    Photo-Chromeleonは、シアン、マゼンタ、イエローのフォトクロミック材料をスプレー可能な溶液に混合し、製品に塗布、それにプロジェクターとUVライトを使用して使用者がプログラムした色やデザインを照射することで塗布面の色を変更できるというものです。
    この発明は製品の製造効率を改善し、廃棄物を削減できるなどの大きな可能性を秘めています。
    また使用者は同じ製品でも自分の好きな色のデザインにいつでも自由に変えられるので、何度も購入することなく毎日カスタマイズすることもできるのです。
    まだ実用化にはいくつかの課題が残っているようですが、個人個人に合った製品を限りある資源を無駄にすることなく求めていく、これからの時代に適した極めて有望な技術であるとして、本賞を授賞することにしました。

    «受賞の言葉(MIT CSAIL Yuhua Jin氏)»

    舘先生、ありがとうございます。私はMIT CSAIL engineering groupのYuhua Jinです。
    我々のチームを代表して、このような名誉ある賞をいただきとてもわくわくしています。
    はじめに、このようなアイディアをMITで形にする機会をくださったProfessor Stefanie Mueller に感謝します。また、研究遂行にあたり多くの助けをくれた同僚の Isabel Qamarと Michael Wesselyにも感謝します。
    オーガナイザーのデジタルコンテンツ協会にもとても感謝しています。
    この受賞で我々が認められ、勇気づけられました。
    Photo-chlomeleonは、ユーザが自由にオブジェクトの色を変えることができます。この技術はそれだけでなく、我々の人間社会や発展の持続性に重要な価値を与えます。違う色が欲しくなった時に全て捨てて買い替えることを想像してみてください。この発明の背景には強い意志があります。
    最後に、COVID-19のワクチンが近い将来できるというニュースを聞きました。日本が良い方向に向かうことをお祈りすると共に、パンデミックが一日も早く収束し、元の生活に戻れることを祈っています。

Event Guide

SIGGRAPHとの連携企画として、以下のようなコンファレンスを実施いたします。
皆様、是非お申込、ご視聴ください。

  • 11月19日(木)16:30-18:00
    Dr. Paul H. Dietz, Technical Fellow at Tactual Labs Co./SIGGRAPH 2021 Emerging Technologies Chair/舘 暲氏(東京大学名誉教授)

    SIGGRAPH 2021 Emerging Technologies ChairであるPaul H. Dietz氏と東京大学名誉教授 舘暲氏のトークセッション。<同時通訳付き>
    お二人の最新の研究紹介と共に、インタラクションに係る技術の進歩により我々の未来がどのように進化するかについてディスカッションを行います。
    SIGGRAPH賞、DCEXPO賞の授賞式も行います。

  • 11月20日(金)15:00-15:10 イントロダクション

    「SIGGRAPH」の大人気プログラム「Computer Animation Festival (CAF) Electronic Theater」で上映されたCGアニメーション優秀作品をDCEXPO 2020 ONLINEにおいて上映します!
    80名様限定で公開いたしますので、お早めにお申し込みください。