技術内容

DAHLESは、Microsoft HoloLensなどさまざまなデバイスを連携し大規模に同期したARライブ体験を提供するためのシステムです。
DAHLESを使うことで、キャラクターがあたかもその場にいるように。資料や教材がその場に立体的にあるかのように。大勢の参加者に対して同じ空間で、同一の体験を提供します。
数人規模、数メートル四方の部屋では問題なく動作する仕組みでも、100人以上の規模、数十メートル四方の空間ではきちんと動作させることが意外と難しかったりします。こういう状況で発生するさまざまな課題を解決するための技術、それがDAHLESです。
たとえば、HoloLensの測距センサが届かないような大空間でどのように自己位置を推定させるか。たとえば、無線が混雑するイベント会場でどのようにトラフィックを制御するか。たとえば、多数の端末の死活監視をどうするか。また、そもそもHoloLensのような端末が無い視聴者にはどのように体験を提供するか?
DAHLESはこういったさまざまな技術と工夫を組み合わせたARライブ体験のフレームワークとなります。


展示内容

本展示では、DAHLESシステムを使って「超歌舞伎 花街詞合鏡(くるわことばあわせかがみ) 」に登場した花魁姿の初音ミクが目の前で舞を踊る様子をごらんいただけます。HoloLens越しで見るAR表示だけでなく、放送用のカメラから見える光景、裸眼で見える光景もあわせて同期した、その場にいる観客や遠隔地の観客(生放送視聴者)まで含め「同じARライブ体験」を得られることをごらんいただけます。

講評

多人数参加型のARにおいて生じる、さまざまな課題を解決するためのノウハウを統合し、実用性を向上した技術である。体験共有型イベントのスケーラビリティを拡張した点が、特に評価できる。