技術内容

 本技術は近年成長目まぐるしいVR(バーチャルリアリティ)分野における、没入型コンテンツの臨場感を飛躍的に高めることのできるヘッドセットです。既存のVR技術は視覚・映像を主眼としたシステム構成となっており、それらの技術レベルが上昇したことによる弊害として、「VR酔い」の問題に直面しています。これは、視覚以外の感覚をバーチャルに再現できず、まだ臨場感を損なっていることに一因があります。本技術では、皮膚上から微弱な電流を流すことで、加速度の感覚などを司る前庭感覚器を刺激し、軽量で安価な装置だけでバーチャルな加速度の感覚を発生させることができます。本技術を利用して映像と加速度の感覚を同期させる事で、VRの体験は飛躍的に臨場感を高め、VR酔いの低減も可能であると考えられます。

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展示内容

本展示では、高臨場感ヘッドセットを利用したVR(バーチャルリアリティ)システムのデモンストレーションを体験していただきます。この体験では、一人称視野映像を見てもらい、その映像に同期した前庭電気刺激を行います。これによって、バーチャルな空間内での動きを現実世界の自分にフィードバックします。本技術を利用したVRシステムの臨場感の高さを実際に体験してもらうことができると確信しています。

講評

耳の奥にある平衡感覚を司る感覚器を直接刺激することによって、実際の平衡感覚を操ることができる。それにより、パイロットや宇宙飛行士などの運転シミュレーションやジェットコースター感覚の疑似体験など広い応用期待できる楽しみな技術である。