我が国は、総人口の25%以上が65歳以上のシニア層で占められる超高齢社会を迎え、2055年にはシニア層が40%を超える見込みです。しかしながら、 最近の調査によると現在のシニア層は20〜30年前と比べると心身ともに10歳以上も若くなっているという報告があります。それは、視点を変えると元気高齢者が活躍できる社会をつくることで、人口ピラミッドを再逆転し、超高齢社会において安定した社会構造を構築できると見ることができます。
 東京大学はIBMと連携し、超高齢社会において元気シニアの社会参加と就労を支援するICT基盤、「高齢者クラウド」の研究開発を展開しております。今年で3回目を迎える本シンポジウムでは、「高齢者クラウド」が提唱するモザイク型就労によるビジネスの可能性をテーマに招待講演とパネルディスカッションを行います。
【後援】東京大学 活力ある超高齢社会を共創するグローバル・リーダー養成プログラム/東京大学 ソーシャルICTグローバル・クリエイティブリーダー育成プログラム

第一部 「高齢者クラウド」 13:00-15:05

シンポジウムの前半では、東京大学・IBMで共同展開しております「高齢者クラウド」の研究開発の概要を紹介いたします。
さらに、招待講演として学術界、産業界の元気シニアの代表として、今日の日本の発展を担ってきた、東京大学、石井威望名誉教授と日本アイ・ビー・エム株式会社、椎名武雄名誉相談役、そして、情報通信技術による超高齢社会の課題解決を推進している総務省より渡辺克也官房審議官をお招きしまして、産学官の視点から超高齢社会に対する展望をご講演いただきます。

第二部 パネルディスカッション「超高齢社会の再定義 - ITが社会参加の形を変える」 15:15-17:00

シンポジウム後半では、年々若くなる日本の高齢者の力をいかに社会の発展のために活かすか、新たな情報技術はそのために何ができるのか、様々な形でITを活用した社会参加を実現しているパネリストの方々をお招きして、ITが実現する近未来の高齢社会の形に想像をめぐらせます。
日時
10月26日(土)
開場12:30 開演13:00 終了 17:00
場所
みらいCANホール
出演者
  • 開会挨拶、進行

    東京大学 特任講師
    檜山 敦
  • 第一部「高齢者クラウド」の取り組み

    東京大学 教授
    廣瀬 通孝

    プロフィール
    1977年東京大学工学部卒業。1982年東京大学大学院工学系研究科博士課程修了。工学博士。東京大学工学部講師、助教授、教授を歴任。この間、日本VR学会会長を務める。専門はシステム工学、ヒューマンインタフェース、バーチャル・リアリティ。我が国のVR研究における先駆的役割を果たし、「デジタルミュージアム」、「デジタルパブリックアート」、「バーチャルスタジアム」などの大型研究プロジェクトのリーダを務める。現在、「高齢者クラウド」プロジェクト、プロジェクトマネージャ。東京テクノフォーラムゴールドメダル賞、大川出版賞など受賞。主な著書に「バーチャル・リアリティ」(産業図書)など。
  • 招待講演1
    「高齢者自身による「高齢者クラウド」応用の事例紹介」

    東京大学 名誉教授
    石井 威望

    プロフィール
    1954年東京大学医学部卒業、医師。57年同大学工学部卒業。63年同大学大学院博士課程修了、工学博士。73年東京大学工学部教授。91年東京大学名誉教授、慶應義塾大学環境情報学部教授。99年慶應義塾大学客員教授。2000年住友生命保険社外監査役、01年東京海上研究所理事長、05年研究顧問。04年NTTドコモ・モバイル社会研究所所長。07年鹿島建設顧問。政府の郵政審議会会長、国土審議会会長、IT戦略会議委員、臨時教育審議会委員など多くの公職を務める。専門はシステム工学。IEEE(米国電子通信学会)1973年度論文賞、第39回毎日出版文化賞(「ヒューマンサイエンス」全5巻編著、中山書店)受賞。著書は、「科学技術は人間をどう変えるか」など多数。最新作品は、「複素数『解』の時代」(2013年、H&I社)。
  • 招待講演2
    「スマートプラチナ社会の実現に向けて」(仮題)

    総務省 情報流通行政局 官房審議官
    渡辺 克也

    プロフィール
    1961年生まれ。
    1984年慶応義塾大学工学部電気工学科卒業後、郵政省入省。電気通信局電波部マルチメディア移動通信推進室長、情報通信政策局研究推進室長、独立行政法人通信総合研究所主管、総合通信基盤局電波部電波政策課長、情報通信国際戦略局情報通信政策課長などを経て、2013年より現職。
  • 招待講演3
    「"Disable"から"Super-Able"へ」

    日本アイ・ビー・エム株式会社 名誉相談役
    椎名 武雄

    プロフィール
    昭和4年5月11日岐阜県生まれ。昭和26年3月に慶應義塾大学工学部機械工学科を卒業。昭和28年1月に米国バックネル大学工学部機械工学科を卒業し、同年6月に日本アイ・ビー・エム株式会社に入社。昭和37年5月に取締役-生産部門担当に就任、その後、常務取締役、副社長を歴任し、昭和50年2月に社長に就任。平成5年1月に会長兼経営諮問委員会議長、平成11年12月に最高顧問兼経営諮問委員会議長に就任。平成19年5月に相談役、平成22年4月に名誉相談役に就任、現在に至る。なお、平成元年6月~平成5年3月にはIBMコーポレーション副社長を務める。経済同友会終身幹事、日本生産性本部顧問、慶應義塾評議員等を兼務。
  • 第二部 パネルディスカッション「超高齢社会の再定義 - ITが社会参加の形を変える」

    モデレータ
    日本アイ・ビー・エム株式会社 東京基礎研究所 シニア・テクニカル・スタッフ・メンバー 
    高木 啓伸
  • パネリスト
    特定非営利活動法人 仙台シニアネットクラブ 理事長
    吉田 正弘

    プロフィール
    1943年生まれ。現在は仙台市在住。現役時代は主に大型コンピューターの保守業務を神奈川県、東北6県、東京都で従事。2006年に現役を退き、2007年仙台市泉区主催の泉区の史跡ボランティアガイド養成講座を受講し区のイベント・小中学校の校外活動に参加支援。2008年3月に仙台シニアネットクラブに入会。シニア向けのパソコン講座運営に携る。一昨年の震災以降、通常のパソコン講座以外に福島県、宮城県の仮設住宅でのパソコン教室の支援活動を行っている。2011年12月に理事長就任、2012年10月仙台市情報化推進会議委員に就任し現在に至る。
  • パネリスト
    ランサーズ株式会社 代表取締役社長
    秋好 陽介

    プロフィール
    大阪府出身。大学時代、インターネット関連のベンチャービジネスを起こす。2005年にニフティ株式会社に入社。複数のインターネットサービスの企画/開発を担当。仕事の受託者・発注者、両方の立場を経験したことから、個人と法人のマッチングサービスを思い立ち、2008年4月に株式会社リート(現・ランサーズ株式会社)を創業。同年12月、インターネットを通した個人と法人の自由な仕事のやりとりを目指すクラウドソーシングサービス「Lancers(ランサーズ)」の提供を開始する。同サービスはクラウドソーシング事業の国内パイオニアで、国内最大級規模を誇る。好きな場所に住み、好きな時間に働けるという「時間と場所にとらわれない新しい働き方の創出」を行っている。
  • パネリスト
    株式会社ウェルセルフ 代表取締役
    南 章行

    プロフィール
    慶応義塾大学を卒業後、1999年4月、住友銀行(現三井住友銀行)に入行。運輸・外食業界のアナリスト業務などを経験したのち、2004年1月に企業買収ファンドのパイオニアであるアドバンテッジパートナーズに入社。5件の投資案件を担当し、投資先企業の役員としての経営改善活動や、良好な投資リターンの実現に貢献。2009年には英国オックスフォード大学経営大学院(MBA)を修了。現地で出会った「音楽を使った若者向け社会起業プログラム」ブラストビートの日本法人(NPO)設立を主導した他、オックスフォードの同期が設立したNPO法人二枚目の名刺にも参加するなど、個人の自立・自律をサポートする活動に積極的に参加。東日本大震災をきっかけに2011年6月にアドバンテッジパートナーズを退社し、自ら代表として株式会社ウェルセルフを設立、2012年7月より知識・スキルの販売サイト「ココナラ」を運営。
  • パネリスト
    株式会社ワイズスタッフ 代表取締役
    株式会社テレワークマネジメント 代表取締役
    田澤 由利

    プロフィール
    奈良県生まれ、北海道在住。上智大学卒業後、シャープにてPC関連業務に従事したが、出産と夫の転勤により退職。子育て中でも地方在住でも仕事をしたいと、パソコン関連のフリーライターとして自宅で働き続けた。1998年、夫の転勤先であった北海道北見市で(株)ワイズスタッフを設立。全国各地に住む150人のスタッフと在宅で業務可能な「ネットオフィス」を実践。2008年には、柔軟な働き方を社会に広めるために、(株)テレワークマネジメントを設立。東京にオフィスを置き、企業の在宅勤務の導入支援や、国や自治体のテレワーク普及事業等を広く実施している。自らも、場所や時間に縛られない柔軟な働き方である「テレワーク」に関する講演や講義をするほか、ブログやFacebook等で広く情報発信・普及活動を行っている。総務省 地域情報化アドバイザー。
  • ※本シンポジウムは、(独)科学技術振興機構(JST)の研究成果展開事業【戦略的イノベーション創出推進プログラム】(S-イノベ)の1課題、『高齢者の経験・知識・技能を社会の推進力とするためのICT基盤「高齢者クラウド」の研究開発』の一環で実施いたします。
    http://sc.cyber.t.u-tokyo.ac.jp/