RELAY COLUMN

  • デジタルコンテンツをクールイノベーションの架け橋に
    デジタルコンテンツをクールイノベーションの架け橋に

    慶應義塾大学大学院 メディアデザイン研究科 教授 / DCEXPO運営委員長

    舘 暲

    デジタルコンテンツは、CG、3D、バーチャルリアリティあるいはロボットやヒューマンインタフェースなどの進展に牽引され、そのままではいわゆる単なる箱でしかないハードを、デジタルの力で価値ある魅力的な商品とする中身(コンテンツ)の役目を担ってきています。「目に見えるソフト」あるいは「人との接点」として、ゲームやアニメなどにとどまらず、医療やバイオなど多彩な分野へも応用の幅を広げ、産業のあらゆる場面で使われ始めています。加えて、芸術表現の場として新たな文化も生み出しております。
    最近「クールジャパン」や「クールイノベーション」など「クール」という言葉がデジタルコンテンツに関連して使われています。「素晴らしい」、「かっこいい」あるいは「興をそそる」という意味ですが、日本古来の「いき」とか「すい」にも相通じる響きをもっています。日本には日本の心が生み出した多くの先端的な発明があります。それを、単なる発明で終わらせず、日本発のオリジナリティ溢れる粋な製品や商品につなげたい。このデジタルコンテンツEXPOが、皆様との協働によって「インベンション」から「イノベーション」への「クール」な架け橋となれればと願っております。

  • 生まれ変わるアジアの新たな創造力
    生まれ変わるアジアの新たな創造力

    東京大学大学院 情報学環 教授 / ASIAGRAPH実行委員長

    河口 洋一郎

    アジアのデジタルコンテンツをささえる文化・芸術は、伝統的に繊細で、濃密で、奇抜です。アジアの伝統芸術と先進的な科学技術が、高度な火花を散らせることで近未来の産業社会に実り多きものが多様に生まれる可能性があります。
    自然界の物理や生物等にインスパイアされた根源的な創造力をもとに、科学と技術、芸術が二重螺旋のように絡み合いながら新しいエネルギー体として生まれ変わらせる必要があるのです。
    人間の五感が先端科学技術と密接に繋がって、高度に複雑な創造力でもって世界を先導し、持続的に成長していくためにはどのようにしたら良いのでしょうか?
    先端的にそれぞれが交流し、融合し、刺激しあいながら複雑に進化するための発表の「場」が、重要な役割を演じてくれるに違いありません。そういった「場」の創出は、震災を乗り越えながら、アジア独自の高度に繊細な創造のエネルギーを生み出すことでしょう。
    デジタルコンテンツEXPOで展開するASIAGRAPHは、アジア独自の多様な文化を背景として、地球の裏側のブラジルまで含めた汎アジア的な次世代の「場」を創出していきます。
    新たな希望に満ちた夢の「地平」が見えてくることを期待しています。

  • デジタルコンテンツEXPOは、世界との架け橋に
    デジタルコンテンツEXPOは、世界との架け橋に

    東京大学IRT研究機構 特任研究員 / DCEXPOエグゼクティブプロデューサー

    石川 勝

    DCEXPOのコンテンツを集め、JAPAN CREATIVE CAFEとしてフランス・パリで開催されたFUTUR en SEINEに出展してきました。ヒューマノイドロボット(未夢)によるダンスパフォーマンスやNETDUETTOなどのコンテンツはフランスでも大きな反響を呼び、連日大勢の人が訪れました。
    今年、インターネット人口がついに20億人を突破したそうです(Internet World Stats)。世界の3分の1がネットで繋がる時代を迎えた我々は、もはや国境を越えることを躊躇してはいられません。グローバル市場において、異なる文化を持つ人々が価値を感じる、独自のアイデンティティを持つコンテンツ産業を早期に確立させることが必要です。日本の出展エリアを訪れたChristian Sautterパリ副市長は、「日本のコンテンツはテクノロジーとヒューマニズムが見事に融合している」と、スピーチの中で評価してくださいました。私たちは今、日本の国内で萌芽した我が国ならではのコンテンツ産業を、海外へと展開していく好機を迎えているのだと思います。そのために、より多くの企業やクリエイターが海外に展開していけるよう、できるだけ多くの交流機会を提供することも、デジタルコンテンツEXPOのまた新たな役割として求められているのだと、パリの地で強く実感しました。

    ※JAPAN CREATIVE CAFE の様子はDCEXPOTV(USTREAM)でご覧いただけます
     http://www.ustream.tv/channel/dcexpotv-paris

  • S3Dというメディアの普及期を迎えて
    S3Dというメディアの普及期を迎えて

    早稲田大学 理工学術院 教授 / 国際3DFair2011 in TOKYO実行委員長

    河合 隆史

    S3D(Stereoscopic 3D images,立体映像)は、近年、映画分野での活発な動向が、テレビやスマートフォンなどの諸分野へと波及し、2010年は「3D元年」と呼称されるに 至りました。さて、新たな技術が生まれ、製品化される間に存在する「死の谷」を克服する「架け橋」が、「DCEXPO」の役割で す。これに対してS3Dは、すでに製品化に到達しているものの、メディアとして普及・定着するには、もう一つ、「山」を築き上げ る必要があるように思います。ここでの山とは、「コンテンツの山」です。コンテンツはクリエイターによって制作され、クリエイターは S3Dを自在に駆使して表現するための方法論を求めています。また、コンテンツはユーザによって受容され、ユーザにはS3Dを安 全かつ快適に楽しむためのリテラシーが必要です。これらは、広い意味での教育であり、「国際3Dフェア2011 in Tokyo」において取り組むべき重要課題と認識しています。国際3Dフェア2011 in Tokyoが、普及期を迎えたS3Dの前向きな一石となることを期待しています。

  • 感動を生み出す,伝えるテクノロジー
    感動を生み出す,伝えるテクノロジー

    慶應義塾大学大学院 メディアデザイン研究科 教授 / ConTEX実行委員長

    稲見 昌彦

    次世代コンテンツ技術展(ConTEX)の名前にある「次世代コンテンツ技術」とは一体どのようなものでしょうか。ConTEXでは、インタラクティブに、様々な感覚に働きかけられる体験型技術を次世代コンテンツ技術と定義しました。
    従来コンテンツとその伝達手段であるメディアは、例えば映像とDVDの関係のように独立したものでした。しかし、次世代コンテンツ技術はコンテンツとメディアが深く関係しています。例えば昨年ConTEXにてデビューした産総研による「HRP-4C 未夢」は現時点で世界からYoutube上で120万を越えるアクセスを集め、パリで開催されたFUTUR en SEINEでも大変な好評を博しました。
    http://www.youtube.com/watch?v=swyWSGc3dLE
    未夢はHRPという高性能のヒューマノイドをメディアとし、その動特性を踏まえ、TRFのSAMさんが振り付け、ELTの曲を歌うことで、世界中の人に感動を伝えることができたわけです。
    技術そのもので人を感動させられるとは限りません。しかし、人を感動させる技術は確実に存在します。「百見は一体験に如かず」です。是非DCEXPOの会場で次世代コンテンツ技術をご体験ください。

  • 「心」と「テクノロジー」の交錯するところに日本がある
    感動を生み出す,伝えるテクノロジー

    株式会社アスキー・メディアワークス アスキー総合研究所 所長 / ConTEX実行委員

    遠藤 諭

    なぜ日本のマンガやアニメなどの文化が、「クール」といわれるのか?それは、日本のオタク的な絵やカワイイファッションにあるのかというと、それだけとは言いきれない。それができる社会的な空気やプロセスが新しい。なげかわしいほどの個人的な心の動きを平気で人に見せられる。個人の心に直接コンタクトしてくる何かがある。自由で解放されている(イケている)から「クール」なのだ。
    ボーイズアクション系のマンガや日本の家電や日用品こそ「クール」なのだという意見もある。1970年代以降の日本の家電を特徴づけたのは、テレビリモコンに象徴されるエレクトロニクスだ。70年代後半に登場したマイコン技術を、オモチャからカメラから、電気炊飯器やカラオケ、健康機器、産業機械まで、何にでもホイホイ(!)入れていった。そのノリの良さが、いまの日本を作ったといってよい。そして、それが日本製品を「クール」と言わせたのだ。DCEXPOは、これら「心」と「テクノロジー」を交錯させることで、とても大切なものを掴むことのできるものになるはずである。

  • 先端技術の上部構造としてのコンテンツ
    先端技術の上部構造としてのコンテンツ

    東京大学 大学院 情報理工学系研究科知能機械情報学専攻 教授 / ASIAGRAPH実行委員

    廣瀬 通孝

    やや唐突ですが、お茶の話から始めたいと思います。茶道は、海外からも注目を集めるわが国独特の高度な精神文化です。とはいうものの、お茶を点てるためには、茶碗や茶せんなどの茶道具が必要です。家元の役割のひとつは先代からの茶道具というモノの保存にもあるそうです。所詮はモノかと思う反面、コト中心の茶道において、モノの役割もまた無視できないという意味で興味深いことです。
    さて、これまでのわが国の産業は、モノを中心に発展を繰り返してきました。20世紀終盤には、軽薄短小の時代を迎えますが、これとてパソコンなどの頭脳集積型製品というモノを中心とした体系であるにはちがいません。21世紀に入り、こうした体系の本格的見直しが迫られています。コンテンツという言葉の本質は、モノ中心の体系の上部構造を作っていくことに他なりません。茶道具の集積の上に茶席、茶会というコト中心の上部構造を作り上げ、全体として茶道という「システム」を構築することなのです。
    DC-EXPOの展示では新しいモノを見ることができ、併設されるASIAGRAPHをはじめとする国際会議ではモノの使い方、すなわちコトを議論することができます。これからの時代、われわれはどのようなシステムを構築すべきか、真剣に考えていこうではありませんか。

  • 「SFと未来のあいだ」にある、明日を楽しくする何か
    「SFと未来のあいだ」にある、明日を楽しくする何か

    神奈川工科大学 情報メディア学科 准教授 / 国際3DFair2011 in TOKYO実行委員

    白井 暁彦

    ここ数年、ConTEXと国際3Dフェア掛け持つ委員として、「ガラパゴスを超えて」(Beyond“Galapagos”)といった刺激的なテーマで作品選出や展示開発、3D上映イベントの裏方やネットメディアでの仕掛けなどに関係させていただいている。日本とフランスの間でエンタテイメント技術・デジタルコンテンツの研究について長年携わっていると、日本人がデジタルコンテンツ分野で本質的に持っている「才能」を感じることがある。
    その才能とは「明日を楽しくするイノベーション」ではないだろうか。
    「SF」がフィクションではなく、ただ目の前に現れたとしても、人々は意外と「面白い!」とは感じない。例えば「大江戸線はリニアモーターカーです」と言っても、驚きも、楽しみもないのだ。未来は毎日やって来ているが、人々が本当に感じたいのは『楽しい明日』なのではないだろうか。
    過去多くの若者達がDCEXPOを通し、「こんな世界もあるのか!」と光明を見たり、「私の研究がこんな役に立つのか!」と新たな出会いを生んだり、「実は日本はすごい!」と勇気づけられたりする瞬間に何度も立ち会っている。DCEXPOで「デジタルコンテンツ」と呼ばれているものはそういった、若者に力を与える「何か」に満ち溢れている。

  • 3D映像のもたらす新たな感動
    3D映像のもたらす新たな感動

    パナソニック映像株式会社 執行役員 制作・スタジオ統括 / 国際3DFair2011 in TOKYO実行委員

    木崎 浩司

    先日、「少女時代」の代々木体育館でのコンサートの3D収録、制作を当社で担当させて頂き強く感じたことがあります。3D元年と言われる昨年、一昨年と数多くの3D映像制作に関わってきましたが制作する環境は格段に進化しました。今回の撮影では3Dカメラとして3Ality 6台 エレメントテクニカ 2台 3DA1 5台 の計13台、2Dカメラとして11台を使用しています。2Dを3Dに変換して使用することも出来ます。多くのポジションから狙うことが出来るようになるとアーティストとの距離を演出することが出来ます。引きのカメラで手前の多くの観客ごしにステージを見ると「遠いな」と距離感を意識します。その上でステージ上近くのカメラに切り替えると「グンと近く」感じます。あたかもステージに立っているような錯覚に陥ります。この距離感覚こそ3Dのもたらす感動の大事な部分であるといえます。若い頃はよく黒澤作品などをお手本にカット割りを勉強しましたが3Dには3Dの演出手法と言うものが存在します。若いクリエイターがその面白さを数多く発見することでこれまでにない感動を生み出すことが出来る、そんな局面を迎えているように感じます。「DC EXPO」がそんな発見を見出せる場であればいいなと思っています。

  • デジタル化時代のコンテンツ・クリエイション
    デジタル化時代のコンテンツ・クリエイション

    慶應義塾大学大学院 システムデザイン・マネジメント研究科 教授 / ASIAGRAPH実行委員

    小木 哲朗

    7月24日、テレビのアナログ放送が終了しデジタル放送に移行し、本格的なデジタル化の時代がやってきました。これまでのアナログ放送のテレビの歴史は、プロ野球、プロレス、歌謡曲等のコンテンツと共に発展してきましたが、デジタル放送の時代のテレビでは視聴率の高いコンテンツも変化してきています。このデジタル化への移行はテレビだけではなく、映画館、博物館、プラネタリウム、アート、携帯電話、ゲーム、電子書籍、デジタルサイネージ等のさまざまな分野で生じ、従来の表現手法に対して、3次元、インタラクティブ、双方向等の概念が加わってきています。今後は、これらのデジタル環境に適したコンテンツの制作がますます重要になってくることが考えられます。
    またデジタルコンテンツの時代には、コンテンツ制作がプロのクリエイターだけの仕事ではなくなり、大人から子供まで誰でもコンテンツを作り、自分のコンテンツをネットワークを介して発信できるという特徴があります。デジタルコンテンツEXPO、ASIAGRAPHが、これからのデジタル化社会を担う多くの皆さんに刺激と感動を与え、今後のデジタルコンテンツの発展に大きく寄与する機会になることを望んでいます。

  • デジタル・ファブリケーションがもたらすコンテンツ産業の変革
    デジタル・ファブリケーションがもたらすコンテンツ産業の変革

    東京大学大学院情報学環 教授 / CONTEX実行委員

    暦本 純一

    しばらく前から某社のカプセル型エスプレッソマシンにはまっていて、定期的にコーヒーのカプセルを注文するようになった。カプセルがなくなるとネットで注文するわけだが、配送されるまでの時間が異常に短くてなんだかコーヒーをその場でダウンロードできたような気分になってくる。最近はコンテンツといっても図版や映像に限定されず、フィジカルな物体であっても制作・流通・共有・再加工の対象となってきている。オープンハードウェア、デジタル・ファブリケーション、あるいはパーソナル・ファブリケーションと呼ばれるこの潮流は、従来のコンテンツ産業に大きな変革をもたらすだろう。そもそもちょっと前までは自宅で服やバッグを縫製して制作することは当たり前だったし、さらに時代を遡れば履物も(草鞋として)自宅で「ファブリケート」されていた。均一な大量生産工業製品を使う文化の歴史は実はそう長くない。3次元プリンタなどの技術によって、物質の制作はコンテンツとみなされるようになり、ネット上の物質設計図をダウンロードしてプリントアウトしたり、あるいは専門のファブリケーションラボから配送されたりするようになるだろう。究極的には、すべての実在物質は「コンテンツ」として扱われるような時代が到来するのではないだろうか。

  • アジアから生まれる若い創造力
    アジアから生まれる若い創造力

    文京学院大学大学院経営学研究科 教授 / ASIAGRAPH CGアートギャラリー代表

    喜多見 康

    ASIAGRAPH CGアートギャラリーでは、アジアの優れたCGクリエータ―に作品発表の場を提供する活動に、2001年から取り組んで参りました。さらに2007年からは、公募部門を設けたことで、中国、韓国、台湾、シンガポール、タイ、マレーシア、フィリピン、ヴェトナム、インドネシア、インドなど、広くアジア全域から毎年500点ものCG作品が集まる様になりました。
    この10年の間にアジア全体で見ると若いクリエーターの創造力は、大きく進化しました。10年前は、明らかだった日本のクリエーターの優位は、もはやありません。
    技術だけでなく、企画やシナリオ、世界観などコンセプトワーク部分でも、アジア各国の応募作品のレベルの差は急速に縮小しています。これはアジア全体にとって、均質、高品質で創造的な人的資源が蓄積されている証です。その上特筆すべきは、彼らの多くは、長年慣れ親しんだ日本製アニメ、マンガ、ゲームなどにより、日本的文化や生活感に、強い共感を持ってくれている事です。これは、アジアの若いクリエーター達ならば国の垣根を越えて、力を合わせることが出来ることを示しています。近い将来、アジアの若い創造力が結集し、まだ誰も見た事の無い様な「新しいアジアの表現」を確立してくれることを期待します。

  • テクノロジーで日常の行為を面白く
    テクノロジーで日常の行為を面白く

    チームラボ株式会社 Computer Visionチーム エンジニア

    斎藤 康毅

    今回チームラボでは『チームラボテーブル』『チームラボミラー』の2つを出展します。
    『チームラボテーブル』は、飲食店などに設置することを想定した、コースターに反応するテーブルです。他の人のコースターと自分のコースターが反応して、テーブル上で線が繋がることで、見ず知らずの人とコミュニケーションのきっかけになることをコンセプトに制作しました。
    『チームラボミラー』は、シャツとボトムスを自分の顔に合わせて着せ替えられる鏡で、”1分間に100着試着できる”というコンセプトのもと試作しました。洋服屋さんでの試着体験をもっとストレスなく出来ないかと考え、スマートフォンなどで操作することで、スピーディーに仮想試着できるシステムです。どちらのシステムも、普段の生活に密着したものです。テーブルやミラーといった、普段の生活の中にあるものに、テクノロジーを加えることによって、より面白く便利にできないかと考えています。
    「DC EXPO」が、そうしたアイデアのきっかけになれば幸いです。

  • 3Dの有効利用を語り合いたい
    3Dの有効利用を語り合いたい

    株式会社 ソリッドレイ研究所 代表取締役 社長

    神部 勝之

    立体映像の専門会社としてソリッドレイを設立して25年が経ちました。長いようで短かった25年です。当初は、3Dの専門会社など世の中に無いし、経営の素人がいきなりそんな会社を起こしてもすぐ倒産する。生まれた子供を抱えて路頭に迷うのか?などなど周りに大反対されたものでした。それが、最近では「3D」という単語が普通に使われ、3D映画、3Dテレビなどが普通に一般化しました。しかしながら、私はものすごく違和感を抱いています。本当に3Dブームなのだろうか?本当に3Dのニーズがあるのだろうか?
    今回のDCEXPOではセンターステージを借りて、この疑問に挑戦してみようと思っています。実際に3Dを有効利用している企業、これから3Dの有効利用を考えている企業の方々に集まっていただき、皆さんの3D映像を大スクリーンで観ながら3Dのこれからを語り合ってみようと思っています。

  • S3DCGアニメーションの実践的教育の普及に向けて
    S3DCGアニメーションの実践的教育の普及に向けて

    CG-ARTS協会(財団法人画像情報教育振興協会) 事務局長

    宮井 あゆみ

    技術の進展によって表現手法も進化する。3D元年と言われた昨年、S(Stereoscopic)3DCGアニメーション教育を普及させるために、本格的な教育システムの開発に取り組む機会を得た。
    講義と演習の標準シラバス・知識ベースの電子教科書・S3DCGアニメ映像教材・アセットデータ・メイキングを詳解した電子ワークブック・学習成果を測る演習課題とテスト、すぐに授業ができるようにすべて揃えた。今年8月には「教育者向けワークショップ」を実施して、教育機関や企業の指導者に、この教育システムを活用した独自の教育計画や教材を作成してもらった。
    シンポジウム「S3DCGアニメーションの実践的教育の普及に向けて」では、このワークショップの成果発表として、受講者代表には教育方法、講師にはワークショップの特色をプレゼンテーションしてもらい、教育者のスキルアップについてパネルトークしてもらう。大学や専門学校の学生、ゲームやアニメーションの実務者の教育をどのように行っていけばよいか、そして教育者トレーニングの重要性を考えていただく機会となることを期待している。
    長年日本のコンテンツ系教育は、「熟練者が経験や精神論を語る」ことに時間が費やされてきたが、現代のクリエイター育成には、基盤となる理論や方法、法則を系統立てて教育することが重要であり、それを実践できる教育者が必要とされている。

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