読書体験は、本を通じて知識を得るばかりでなく、読むという行為や読み聞かせなどコミュニケーションの体験としても多様な効用があります。本展示では、紙の本の操作性に着目し、実物体の本の特性を活かした体験者に電子的仕掛けの存在を感じさせないインタラクティブな絵本による読書体験システムの提案をしました。

技術内容

読書体験は、本を通じて知識を得るばかりでなく、読むという行為や読み聞かせなどコミュニケーションの体験としても多様な効用があります。本展示では、紙の本の操作性に着目し、実物体の本の特性を活かした体験者に電子的仕掛けの存在を感じさせないインタラクティブな絵本による読書体験システムの提案をしました。
システム構成は、電子回路などを一切内蔵しない紙の仕掛け絵本と,デスクライト型プロジェクタカメラシステムからなります。体験者が読む絵本の上方に,カメラとプロジェクタを一体化したプロジェクタカメラシステムを制作しました。一般的な白色のデスクライトのようにふるまい,生活空間の中の一部としてシステムの存在を感じさせません。撮影画像から,ページ上に配置された判定用パターンとなる図柄や,体験者の手の動きを検出します。体験者の操作に反応して,プロジェクタで映像を仕掛け絵本に重ねて投影し,体験者の行為がストーリーに影響する,拡張された絵本世界の体験を可能としました。絵本以外にも地図やボードゲームなどに応用ができます。デジタル技術を活用し実物体としての紙の本と人のコミュニケーションの関わり方の再構築を試みています。