【技術内容】
一発当たりのパルスの持続時間が1000兆分の1秒という短いパルスを持つフェムト秒レーザーというレーザーがあります。眼科のレーシック手術や精密計測,機械加工などに用いられるものですが、本研究ではフェムト秒レーザーを使って短時間で消失するプラズマを作り出すことで、空中に映像を描きます。フェムト秒レーザーで作られるプラズマは熱を伝える前に消失するので、比較的安全に運用することが可能であり、その性質を利用して画像認識との組み合わせによりタッチインタラクションを可能にしました。これにより空中に絵を描き、その描いた絵に触れると絵が反応するというSF映画で見たような空中のコンピュータディスプレイとして使うことができます。フェムト秒レーザー自体は以前から市場に存在しますが、一般人の目に触れるような利用用途はありませんでした。本研究は三次元空中タッチディスプレイとしての新規性だけを狙ったものではなく、人類の夢の一つであった空中に触覚ある映像へ向けての一歩を世間の人々に広く認識してもらうこと、またフェムト秒レーザー自体が普及しアプリケーション開発が盛んになるきっかけとなることを視野に入れています。

※ビデオ展示のみとなります。

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【展示内容】
本展示では、レーザーを用いて空中に映像を描き出す技術について紹介します。その映像に指で触れると、映像が反応すると同時に指にも触った感触があります。フェムト秒レーザーという非常に短い時間幅のパルスを用いることにより、空中でプラズマを発生させつつ、触ることもできる安全性を達成しています。