本技術では人間機械協調システムの一例として勝率100%じゃんけんロボットを開発しており、人間が手を出すと瞬時にその「手」を認識し、ロボットハンドは人間に勝つ「手」を出します。本システムは、人間を越えるロボットによって生み出される「ダイナミックインタラクション」の世界を実現したものであり、人間とロボットの新しい関係を提起するものです。高速ビジョン、動的な実体ディスプレイとしての高速ロボットハンド、コントローラから構成されており、ビジョンは500fpsで画像取得・処理を行い、ロボットハンドは0.1sで180度の開閉運動が可能で瞬間的な動作を実現し、コントローラは全体の入出力および制御を1ms毎に行っています。高速ビジョンを用いて2ms毎にグー・チョキ・パーを認識し、その認識から1ms後に人間に勝つ「手」をロボットハンドが出す高速な後出しじゃんけんを実現しています。ビジョンによる認識からロボットハンドの運動完了までの時間が約23msであり、人間の目が約33ms毎に認識しているため、本システムにおいて後出しに気づくことはほとんどありません。したがって、人間に遅延を感じさせることなく、人間の動作に同期したロボットの協調制御を実現しています。

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