シンポジウム・セミナー・ステージ

第2回 「高齢者クラウド」シンポジウム

日時
10月27日(土)10:30~12:45
場所
日本科学未来館 7F 会議室1

【主催:東京大学】
我が国は、総人口の25%以上が65歳以上のシニア層で占められる超高齢社会を迎え、2055年にはシニア層が40%を超える見込みです。しかしながら、 最近の調査によると現在のシニア層は20〜30年前と比べると心身ともに10歳以上も若くなっているという報告があります。それは、視点を変えると元気高齢者が活躍できる社会をつくることで、人口ピラミッドを再逆転し、超高齢社会において安定した社会構造を構築できると見ることができます。
 東京大学 情報理工学系研究科・IBM・NHKは東京大学 高齢社会総合研究機構と連携し、千葉県柏地域で、超高齢社会においてICTによりシニア層の社会参加と就労を支援する「高齢者クラウド」プロジェクトを展開しております。本シンポジウムでは、ICTで超高齢社会を支える「高齢者クラウド」プロジェクトの展開と、社会構造の逆転につながる「高齢者クラウド」構想のパブリックアート性についてディスカッションを行います。

廣瀬 通孝

東京大学大学院 情報理工学系研究科 教授

1977年東京大学工学部卒業。1982年東京大学大学院工学系研究科博士課程修了。工学博士。東京大学工学部講師、助教授、教授を歴任。この間、日本VR学会会長を務める。専門はシステム工学、ヒューマンインタフェース、バーチャル・リアリティ。我が国のVR研究における先駆的役割を果たし、「デジタルミュージアム」、「デジタルパブリックアート」、「バーチャルスタジアム」などの大型研究プロジェクトのリーダを務める。現在、「高齢者クラウド」プロジェクト、プロジェクトマネージャ。東京テクノフォーラムゴールドメダル賞、大川出版賞など受賞。主な著書に「バーチャル・リアリティ」(産業図書)など。

矢冨 直美

東京大学 高齢社会総合研究機構 特任研究員

昭和47年茨城大学人文学部卒業。昭和47年東京都老人総合研究所精神医学研究室助手。昭和62年ミシガン大学老年学研究所客員研究員。昭和62年東京都老人総合研究所精神医学研究員。平成17年東京都老人総合研究所自立促進と介護予防研究チーム主任研究員。平成21年東京都健康長寿医療センター研究所 チーム研究員。平成22年より東京大学高齢社会総合研究機構特任研究員。専門は、高齢者就労研究、認知症予防研究。

上田 研二

株式会社 高齢社 代表取締役会長

1956年東京ガス㈱入社、1991年以降は関係会社の㈱ガスターや東京器工㈱の再建に取り組む。在職中の2000年1月に「一人でも多くの高齢者に働く場・生きがいを提供したい」との理念実現を目指し㈱高齢社設立。東京器工(株)の再建を果たし社長退任と同時に㈱高齢社社長に就任、2010年㈱高齢社代表取締役会長に就任。雇用の確保を大前提に社員・協力企業を大切にする人本主義経営を実践し社員第一主義を貫く。経営哲学は「人は財産・人は宝」。2009年4月には「高齢者活躍支援協議会」を立上げて高齢者の就労拡大に取り組んでいる。日経ビジネス、ガイアの夜明け、NHKラジオ深夜便、カンブリア宮殿等、様々なメディアで「高齢者のビジネスモデル」として紹介されている。

森山 朋絵

メディアアートキュレーター/東京都現代美術館 学芸員

1989年より学芸員として東京都写真美術館・映像工夫館の創立に携わり、東大大学院・早稲田大、バウハウス大学、UCLA他で教鞭を執りつつ約50本のメディアアート展を企画。2007年より現職。独ZKM、米MITメディアラボに文化庁より派遣、J.P.ゲッティ研究所コンサルティングキュレーター、アルスエレクトロニカ審査員、シーグラフアジア2008Art Gallery/E-Tech議長、NHK日本賞審査員などを歴任。文化審議会専門部会委員などの活動を通して、メディア芸術拠点としての公立文化施設の成立と展開、テクノロジーと芸術の協働や展示支援をテーマに研究と実践を行う。主な企画展に「イマジネーションの表現」「絵コンテの宇宙」「超[メタ]ビジュアル」「文学の触覚」「名和晃平-シンセシス」など。 

西村 邦裕

株式会社テンクー 代表取締役社長

2001年 東京大学工学部卒、2006年 東京大学大学院工学系研究科修了、博士(工学)。2007年 東京大学 助教。専門はインタラクティブな情報の可視化やヒューマンインタフェース。2009年に羽田空港で開催された情報技術を用いたパブリックアートの展覧会「Digital Public Art in HANEDA AIRPORT 『空気の港』 〜テクノロジー × 空気で感じる新しい世界〜」のテクニカルプロデューサーとして、企画・制作・運営などに従事。2011年 株式会社テンクーを起業。インタラクティブなシステムや可視化などの企画・開発などに従事。2012年 東京スカイツリーからのパノラマ画像をリアルタイムで提供する有料Webサービス「SKYTREE VIEW ソラマド」をリリース。

小林 正朋

日本アイ・ビー・エム株式会社 東京基礎研究所 スタッフ・リサーチャー

IBM東京基礎研究所アクセシビリティ・リサーチ研究員。2008年に東京大学より博士号(情報理工学)を取得し、IBMに入社。専門はヒューマン・コンピューター・インタラクション(HCI)。Webユーザー・インターフェースやコミュニケーション・ツールをはじめとする日常的なHCIに関心を持ち、現在はシニアのための情報通信技術(ICT)やマルチメディア・コンテンツのアクセシビリティについての研究に従事。W3C HTML Working Groupメンバー。「高齢者クラウド」プロジェクト開発リーダー。